全てが整った完全な形ではないもの。
後一つが揃ったら…。
後一日…。
そんな夜、夕べの月は１４番目
今日は完璧な形になって
次の日からは
また欠けていく。
川の流れのように淀みない
満ち欠けのリズム。
滲むように雲の中から輝く光は
柔らかで穏やかです。
東京はどしゃ降りの雨
今日は１５番目の月。
見えないけれど雨雲のもっと上
満ち足りて明るく光り
空から何を見るのでしょう。
ため息をつくお母さん
眠い目をこする子供達
家路を急ぐお父さん
何かを届けたくて歌う人
失った哀しみにくれる人
痛みに耐える病室のあなた
手紙を書く私
そんなことを思います
空から眺めた世界では
どんな風に映るのでしょう。
一人ひとりの行いも
ちゃんと見えているのでしょうか…。
透けてしまうほど
全てが見えているのでしょうか
月も星も太陽も
みんな始まった時から
満ちて欠けているのでしょう。
地球も始まって
人も始まって
満ち足りていること
欠けていくこと
知らずに流れているのかもしれません
今日は
足りていることに感謝して
欠けていくことを恐れずに
通り過ぎます。
雨の夜見えないけれど
穏やかな、けれど明るい月の光が
あなたを包みますように
mary
