あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙・ひかり

春の日差しのようなやわらかな光に包まれて

眩しさにふと目を落とします。

目に入ってきたのは

掌に刻まれた記憶

湯呑みを包みこんだり

包丁を握ったり

針を持ったり

ペンを走らせたり

およそ普通の日常を暮らした掌です。

 

時々

海の波を掬ったり

オカリナの穴を塞いだり

ペンを筆に持ち替えたり

子供を抱き上げたり

溢れ出す涙を拭うこともした

大切な私の一部です。

 

今は  朝に晩に

右と左の掌を合わせて

仏様の前に心を広げます。

 

本を開き

明かりを灯し

窓を開け

ボタンをかけます。

 

あらゆる作業を果たしてくれる掌に

今日は気付いて感謝します。

 

世の中に

この世界に在る大切な存在だと

掌も自分も

日常の中では忘れています。

いつもは注目していない  気付かないこと。

当たり前に在って  思い浮かべることも

感謝することもないものです。

陽の光が当たって

そのものだけが持つ記憶を

見えるようにしてくれます。

 

宇宙の中で

一粒の砂のように思える自分の存在も

大切なそのもので在ることが

それだけで役目を担って

宇宙を輝かせていくのです。

(妄想💦?空想💨?してみてください。)

 

何か1つでも欠けてしまったら

全く別の世界に変わってしまいます。

その唯一であることが  大切な気がします。

 

大輪の花として生きるのも

野に咲く花として生きるのも

生きるものとして見つめたら

等しいものであるだけです。

 

名も無き花であったとしても

大切な  他に代わりの無い花だから

今誰かの目にとまらなくても

花開いたことが大きな意味を持つのです。

 

ゴッホの絵が

生きている時に見出だされなかったように

モーツァルトの音楽を時代が拒んだように

作品が世に見出だされ讃えられるのは

創り手が居なくなってからのことが多いのです。

 

それでも

あなたの生み出す全てのものが

この世界を創る一部となって存在します。

宇宙を創り出している一部です。

あなたの笑い声が響いたら

宇宙のその場所が耀きだします。

 

そして私は同じ世界の此処にいて

あなたの幸せを祈っています。

 

 mary