あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙・祭り囃子

太鼓の音色

朝方まで降った雨が空気を湿らせて

遠くの方で祭り囃子の太鼓の音が響きます。

「あっお祭り…。」川向こうの春祭りです。

 

神様への畏敬の念や感謝の念を表す為に 

人が祭りを行って  賑やかで明るい歓喜

神様に捧げます。

 

笛を吹き鳴らし  太鼓や鐘を打ち鳴らし

心も体も踊りだすようで

お祭りも囃子も大好きでした。

 

人が大勢集うお祭りは 

それそのものが神様への捧げ物らしいのです。

音の中に  空気の中に  人々の中に

神様が宿るような気がします。

 

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この何年かの間 

それすら忘れて過ごしていました。

お祭りは素直になってそこにいないと

楽しい気持ちになることはできません。 

その瞬間に真っ白な気持ちでいるだけのこと

なのに難しくなっていたのです。

我ながら  ため息がでちゃう…。

それほど暗い心を抱えていました。

 

今はその時間を振り返って

少しだけ回り道だった。かも?と思って

帰ってきたような感じ…?。

と確認するような感じです。

でも・・・それとも違う

全く異なった感覚を味わうような

小さな奇跡✨✨✨を味わっているのです。

 

それまでの自分が何者であって

過去に何があったとしても

祭りのその時その場所に在ることを

許せるようになったのかもしれません。

 

囃子や賑わいに身を任せるだけでいいことを

思い出したのかもしれません。

 

楽しみや喜ぶことに専念すればいい筈なのに

なろうと思うとできなかった過去の形が

知らないうちに変わっていきます。

 

遠くの祭り囃子を聞きながら

もう難儀な私はいませんでした。

時間が経ったことを確認するように

違う自分になっていることを感じています。

 

こんな時「ヤッタネ❗」と一人言を呟きます。

心の中で飛び上がって喜びます。

生きてきたから分かることです。

 

変わって行く自分 

新しい自分の始まりを感じられる日がくるなんて

奇跡✨✨✨です。

 

あんなに自分を責めていた日々のこと。

無くしたものを見るようだった日々のこと。

それがお祭りの景色や音と重なって

そこにいるのが痛みになっていたことが

嘘のように消えていきます。

 

辛かった日のことが

聞こえてくる太鼓のように遠くの空に感じます。

ついこの間のことなのに

懐かしく感じられているのです。

 

お祭りは神様とより近しくなればいい。

戻らない過去の痛みとすり替えて

お祭りを遠ざけるしかなかったけれど

遠くに聞こえる祭り囃子は

柔かく私の心に響きます。

 

もうすぐ地元もお祭りです。

楽しめる私になって

笑ってそこに在ることが

見守って下さる神様に

私ができる細やかなこと。

…なのかもしれません。

 

あなたの街の春祭り

お囃子が響きますか?

風に乗ってあなたの耳に届いたら

『嬉しい』の始まりになるかもしれません。

 

mary