あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙・私は今…。

約束

小さな約束をしました。

だから  

今に生きることにして  一日を過ごします。

 

それは  とても当たり前な普通のことです。

ちゃんと…生きる。

約束をしました。

 

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交通事故

小学校に上がる前の年

家の前の道路で交通事故に逢いました。

骨折はしなかったものの

両足に負った傷が酷かったので

長い間病院のベットの上で寝て過ごしました。

怪我が回復して  立ち上がろうとしたら

自分の体なのにどうしたらいいのか

まるでわからなくて立ち上がれませんでした。

今までどうやって歩いていたのか分からずに

地上に降りるのがすごく怖かったのを

今も鮮やかに覚えています。

 

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人を想うために

誰かのことを  私一杯想うため

この人生に生まれてきました。

人を愛すること  想えることは

私にとって幸いです。

 

手を繋ぎ  抱き締めて  想いを伝えることも

想う相手の支えになって暮らしを分かち合うことも

一つ一つ積み重ねた時間も  みんな

『あなたに逢うために生まれてきた』

そう思えることから始まって生きていた時間

それは長い間  当たり前の日々になりました。

 

ところが。

人生の課題は一つではありません。

 

私の人生から  私一杯想った人が去った日からは 

自分の体の半分がもぎ取られた感じで

今迄の暮らしをどうしていたか

わからなくなってしまったのです。

 

昔  歩き方を忘れたのと同じです。

生き方を忘れて  お手上げです。

愛し方も  思い出せなくて

人に会うのを怖がるようになりました。

 

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 一つから

沢山の人が手をさしのべてくれました、

そのお陰で  体が半分になった感覚のまま

歩くことができました。

 

私は今 

目の前の一つ一つに大切に向き合います。

助けられた私を使って  できることをしています。

多くの人のさしのべられた手のように

私の手を必要としてくれる場所に向かいます。

 

それは  無理にではなく  自然に始まった

新しい日々の

ちゃんと生きる  になりました。

 

寂しさは  誰かに出逢いたくなるために

恵まれた感覚かもしれません。

 

愛することを思い出して

歩き方も一歩ずつ確かめて

約束を果たします。

 

ちゃんと生きる…。

私は今  生きる時間を恵まれています。

あなたに出逢えた  この世界から

あなたの幸せをお祈りします。

mary