あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙・何処かへ

青い空に白く輝く雲が流れます。

陽射しが強くなりました。

お元気ですか?

 

『人が抱える哀しみに  寄り添いなさい』

 

そう聞こえたような気がしたのは

三年前に行った

奈良の唐招提寺でした…。

 

哀しみ

散らかった部屋の片隅で  座り込んで

思い出のいっぱい詰まった場所を眺めてみます。

もう着ない服  見ない書類

みんなそのまま  其処で時を過ごしてきました。

時間の分だけ色褪せて  古びていきます。

同じように  年を重ねた思い出も

セピア色に変わっていきます。

 

 

大切な存在を喪った時  その場所から

『どこか遠くに行ってしまいたい』

そう思う瞬間は  誰にもでも訪れる…。

そんな気がします。

 

それは  別の人生を生きたいと願うのか

生きていることを手放したいのか…。

何故と言っても  自分でも分からない

ままならない感情です。

 

『消えてしまいたい』『此処ではない場所へ』

そんな風に思うのも 

其処に痛みを思い出させるものがあるから

無理ないのかもしれません。

 

辛い思い出が  刃となって向かってくる

そんな毎日が在るのだとしたら…。

ずっと其処に居るのは苦しいことだと思います。

 

感じたもの 

暮らしの中で  沢山の感情が涌き上がりますが

哀しみと  痛みや苦しみは少し違うもの

なのではないかと感じています。

 

哀しさだけに  ただ浸る事ができたら

それは素敵✨✨✨なことだと思うのです。

 

 

哀しさにプラスされる  後悔や妬み恨み喪失etc.。

いろいろな感情がが加わると  想いが大きく膨らんで

元々は何なのか解らなくなります。

どうしたらいいのかを  見つけにくくなります。  

 

そんな時には  時間をかけて 

一つずつ絡まった糸をほどくように

丁寧に  自分の感情と向き合っていきます。

何が起きていて  何を感じたのか

自分の気持ちが一つずつ

解りやすくなるようにしていきます。

いつか  純粋な哀しみと

出逢える時がやってきます。

 

哀しみは決して怖いものではありませんでした。

むしろ美しい感情です。

その人の中に《愛を感じるものが有る》

だからこそ生まれてくると思うのです。

 

愛という宝物を失ったり 

愛するものから離れたりすることで

生じる哀しみは   癒していく中で

愛だけになっていきます。

哀しみの源は命の輝きにさえ感じたのです。

・・・それは人各々。

 

喜怒哀楽。

ずっと同じような感情を持ち続けるのは

不可能だと思い知ります。 

 

いつまでも同じ気持ちは続かないのです。

 

もし  できるなら明るい方へ歩き出せたら…。

喪ったものは  静かに輝きを増していきます。

そんなことを…。雲を見て考えているのです。

 

哀しみは  空に浮かぶ白い雲のように 

あなたの心の中にある  青い空を通りすぎて

どこかへいってしまいます。

 

また違う雲が来て  空を覆ってしまっても

いつか流れるように通りすぎていくのだと

あなたに知っていて欲しいから…。

 

 

お日様の光にあたってみてください。

風に吹かれてみてください。

空に浮かぶ雲が形を変えて

通りすぎていくのを  見てください。

 

あなただけ特別で

同じままなんてあり得ない

だから  今は空を見上げて見てください。

 

あなたはあなたの人生の中で 

幸せになって良いのだと  知っていて下さい。

喪ったものは  皆

あなたの中に生き続けて

あなたと共に幸せになっていきます。

 

空に浮かぶ白い雲のように

ゆっくり変わっていけたら素敵✨✨✨です。

 

 

光る雲を見上げて

あなたの幸せをお祈りします。

mary