一つ 哀しみが降ってきたら
その哀しみを胸に抱いて
大切に 大切に味わいます
初めて哀しみを受け取った時
哀しみの棘が 本当に痛くて
辛すぎて 苦しくて
抱きしめられないかもしれない
見るのも触れるのも
苦しいのなら
痛みの無い処まで 退いて
哀しみや苦しみが
この胸に在ることを ただ感じます
『あっ。私 哀しいのだ』と
気付けたら 哀しくて良いのだと
自分で自分を許します
『痛い…。』
そうか…。私の心は傷ついている
そして 痛みを感じている
だからこんなに 苦しいのだと
知るのです
手放すのは まだ少し先にして
眺めたり そっと透かしてみたりして
其処に在ることを感じます
いつか 時が来たならば
その哀しみを そっと胸から取り出して
空高く投げてしまいます
雲の上 ずっと遠く
天まで届きますように…。
哀しみは 天に届いて
小さな星の欠片となります
お日様の光と風に磨かれて
少しずつ 光だした哀しみが
いつも ここに居るよ。
と 囁きます
大切に抱いた哀しみ
天まで届いた哀しみは
キラキラ 宝物になるのです
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あなたは私
私はあなた
この哀しみが
なくなることはありません
けれど キラキラ光る
遠くの星が
私の胸をえぐることは
もうありません
遠くに有って
私の一部
地に在って 空に在る
いつか喜びとして
雨霰と降り注ぐ
その日まで
哀しみを遠くから見つめます
そして 浮かんでくる哀しみを
受け取って
一つ思い出して
夜空を見上げて 泣いてみます
瞳から零れた涙は
胸の痛みを潤して
いつしか 泉となって
私の世界を満たします
空に昇った 哀しみは
いつも そうして煌めいて
大切なことを知らせてくれる
満たされていく幸せは
哀しみがあったから…。
哀しみは
私の一部 世界の一部
空に預けて 幸せの泉になって
世界の全部を満たします
灰色の雪を呼びそうな
空を見上げて
あなたの幸せをお祈りします
mary