この広い世界
部屋の中 家の中に居ると
世界が広いことを忘れてしまう
空も大地も 広がっているのに
忘れてしまう
何処にだって行けるのに…。
想像しよう
海の潮騒の音を
想像してみよう
山登りをした時の空気を
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子供が小さかった頃
母親としての私も 未だ幼くて
何が出来るか考えて
行き着いた答えが
虫干しでした
幼稚園や 学校へ行くのは
自分も苦手だったから
アドバイスできることは少ないから
せめて 家に帰って来た子供達を
元気に 真っさらにして送り出せたら
それが 虫干し
着て 脱いだもの
寝て くるまっていたもの
それらを みんな纏めてお洗濯して
お日様に祓って貰うことでした
人の想いが 生んだもの
人の力で 痛めたものを
洗い流して お日様の光に当てると
大抵は さっぱり清らかになるのです
今でも それは変わらない
たまにしか
帰って来られない息子たちは
口数も減って
労りと感謝を
与えてくれるけれど
疲れた体でゆっくり休んだお布団を
お日様の光に当ててフカフカに
着たものも お洗濯して乾かして
無事を祈りながら畳みます
そうしたら 幾らか力になるようで
心が安らぎを感じます
また 帰って来る時は
お布団も 着るものも食べるものにも
無事を願って 整えられますように…。
ささやかな願いです
できることがあるのは
有難い
幸いなことなのでした
梅雨の長雨が途切れた
僅かな間
後少ししたら
雲が厚く立ちこめてしまいそう
だから 干せるものをいっぱい並べて
祓って清めて 貰うのです
今 私にできること
生きているからできること
ささやかな想いを込めて
次の世の力になれたら
有り難いと思います
夕方降りだした雨は未だ止まず
音は大きくなったり
小さくなったりしています
『明日の天気晴れますように。』
どの空の下も
穏やかでありますように
雨の音を聞きながら
同じ大地の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary
