人として生まれて
その世界で生きることに夢中で
人を愛したり
人に愛して欲しかったり
人から愛されたり
寂しくて しがみついたり
居たたまれずに 手放したり
上手くいかずに 悔やんだりして
それから
一人 自分を思い出し
自然を 自分のように身近かに感じて
人を 自分を写すもののように感じて
物事は 途切れずに流れ
物事の そのままが流れ込んで来て
いろいろな人が
いろいろなものが
いろいろなことが
在るままに 自分を通り過ぎて行く
いろいろが自分の一部になっていく
この世界の中で
その世界の一部で
自分が
生かされて来て居ることが
ぼんやりとした意識の中で
興味深い 可笑しなことに感じるのです
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大きなものの人として
一寸にして五分の魂を持つという
虫たちを何匹も殺生して
胸が痛さに ふるえてしまう
軒下に足長蜂が
巣を作っているのを見つけて
駆除するしかなくなります
お風呂場に山のように沢山の
小さな蟻を見つけても
駆除するしかなくなって
それは 暮らしを守ることなのだけれど
そんな時 には
生きること
生かされていることを
考えずには 居られなくなるのです
我が身と照らし
合わせたら
命の重さは変わらない
その命を
私は葬ってしまいます
庭に 草が繁っても
どの草も命が有って
命を育むものだとして
暑さを柔げ 花を付け
香りを漂わせているというのに
生かすもの 生かさぬものに
その命を振り分けている
人も 自然も何一つ留まらず
やがて 一巡りしていくことを
疑うことはありません
「ごめんなさい」
そう言うしかありません
この世界は借り物で
たまたま 人に生まれたけれど
自分よがりに生きることを
謝り続けていくのです
我が儘に 生かされていることに
感謝し続けていくのです
恵まれた命だから
そっとそっと大切に
生きてみようと思います
この星の 存在に比べたら
儚い人の命の時間
美しい自然を愛し
そうして そのまま
生きてみようと思うのです
雨は未だ 大地に降り続けているけれど
同じ大地の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary