あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙✨雨

 


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今日は久しぶりに雨が降ります

 

このところ  晴れた日ばかりで

近くの川幅が狭くなっているのが

気になっていたところです

 

纏まった雨の降るのは

本当に久しぶりです

 

雨の降る音に耳を傾けて

空から落ちる白い筋を目で追って

様々なことを想い浮かべてしまいます

 

                               ***

 

この雨によって

それから

晴れた日の太陽の光によって

 

どれ程  沢山のことを

知らされてきたでしょう

 

過去の日  ある瞬間

喪ったものばかりを数えていた

不幸の渦の中で  もがく心に

 

梅雨の嵐が訪れました

 

強風と大雨に

見るとはなしに  屋外に目を向けて

 

草や木に降り注ぐ雨の筋が

語りかけてきたのは

 

この雨は  全てへ平等に降り注ぐ

恵みだと言うこと

 

そして晴れた日の

太陽の光が暖めるのは

全て  だと言うこと

 

それまで喪ったとばかり思っていた

自分の掌から零れ落ちた

持ち物や人との関わりや  時間さえ

軽々と超えて

 

自分自身の人生へ  降り注ぐ雨

 

全てが  恵みだと

腑に落ちた気がして

 

在るのが当たり前に感じていた 

雨も光も 

喪ってはいないことが

 

自分の掌に在るものと

大きく結び付きました

 

それからは少しずつ 

少しずつ

 

想いの中に浮かぶことを

在るものへ

 

考えるものを 

今在るものへ向けるよう

 

想いを変え  考えを変え

 

無くしたものが  思い浮かぶ時には

その少し前  有ったものと出逢った

幸いに感謝して

 

今  此処に在るものは  

紛れもない過去からの贈り物だと

思い出すようになりました

 

何故  こんなことになったのか…。

そう自問自答して考える時にも

《なったこと》は変えられない

その先に在る

今を  どうしたいのか

考えるようになりました

 

喪ったものを数えながら   

不幸にしがみつくだけの

毎日の一瞬一瞬を変えるのは

 

癖が付いた習慣を

一つ一つ変えるのに似ています

 

例えばそれは 

家に帰って 『ただいま』を言って

靴を揃えて  手を洗う…etc.

 

ご飯を食べる時に掌を合わせて

『いただきます』を言って

命を頂くことに感謝する…etc.

 

誰も見ている訳ではないから

しても  しなくても分からない

 

当たり前のようなことだけど

忙し過ぎたり  他のことをしながらでは

忘れたり  スルーしてしまいます

 

それでも  自分だけは知っている

自分の行うこと  想うこと

 

ほんの小さなことなのです

 

雨は  静かな大地に

潤いと恵みを与えて

通り過ぎていきます

 

それは 分け隔てなく

降り注ぐ恵みだと…。

こうして久しぶりに降る雨が

告げていきます 

 

『受けとりました』そう呟いて

今日も  在るものへ向かいます

 

そして今の暮らしの中に

喜びを見つけて  身を尽くします

 

誰かの暮らしではない

此処に在る  自らに降り注ぐ雨と

今日の冷たさを感じて

 

命在ることに

感謝しながら暮らします

 

墨絵ような世界の中で

この空の下

あなたの幸せをお祈りします

mary