一つのことに没頭して
一つのことを続けて
一つのことを手渡していく
『棺の中までは持っていけない』
幼い頃によく耳にした言葉
欲張らないように…なのか
それとも拘らないように…なのか
戒めるように聞かされて
こうして長い年月生きて
親しい人を送る度
持ち物も 人の縁も
財産も 肉体が朽ちてしまえば
皆全ては 何れ
手放していくものなのだと
妙に 納得してしまうのです
***
誰かの懐く苦しみや
誰かの懐く哀しみを
わたしの哀苦として
感じることはできないけれど
海の向こう そのまた向こうで
命の危機に晒されている人がいて
肌の色 言葉や思想は違っても
誰かの大切な
かけがえのない人なのだから
命が守られることを
祈りたくなるのです
世界の隅々まで
平和でありますように…。
それは 恵まれた時代
この場所に生まれたものの
理想かもしれないけれど
誰かの世界を侵害して
誰かのことを思う通りにして
掴んだものも 皆
何れは
この世界に置いていくのだから
全ては
預かりものにすぎないのだと
忘れないようにして生きるなら
手に持つものは 銃でなく
野の花で
想うのは 憎しみでなく
愛する人で
寿命があるのなら
ただ一人
全うできるのかもしれません
愛する人を想うように
愛する人を許すように
愛する人と歩めるように
一人一人の
心の中に愛を育てて
心をいつも平和にして
世界中が平和でありますように
この世界の片隅で
あなたが健やかでありますように
あなたの幸せをお祈りします
mary