波
小さなさざなみ 穏やかな波
朝の光を浴びて何事も無かったように輝いていく
夕べの海と違った表情を見せてキラキラ光る
半日前
夕闇に包まれた海からは
波が生まれて
何かに向かって行くように走りだし
まるで一本の綱のようになって
一直線の白波となった
静かな海に何本もの白線が引かれたようだ
夕べの波を思い浮かべながら
朝の光に照らされながら
柔らかな砂を踏み 海に近づいていく
波の中でキラキラと砂が舞う
小さなさざなみが
寄せては返す囁きに耳を傾けて
いつの間にか時を忘れてしまう
住む場所に無いものが
何かに込められて
行ったり来たり繰り返し
流れと共にやってくる
暖かい光に包まれて
澄んだ風に吹かれて
石段を歩いたり
玉砂利を歩いたり
鈴の音を聞き 太鼓が響く
縁を結んでくれる場所
この場所にいる私から
恵まれた一つの幸が さざなみのように
あなたに伝わりますように
何処かにいる誰かの大切な日だから
「おめでとう」そう囁きます。
この同じ空の下
あなたが生きていることに
「ありがとう。」心の中で囁きます。
この波のように穏やかに
あなたに伝わりますように
mary