あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙・助け船に会える時

こんにちは。

お元気ですか?

東京の空は  平らな灰色に染まっています。

 

今日は  今まで何度も助けてくれる

救いの手に出会ってきた  私の人生が

『生かされてきた』と実感した日。

特別なことが有った訳ではなくて

過去の記憶が突然浮かんで繋がったから

見えてきたことを  少しお話してみます。

 

久しぶりの雨垂れの音を聞きながら

昔のことが甦ってくるのです。

それはもう  ずっと昔  まだ十代のはじめのころ。

 

体調が思わしくなくて入院したことがあります。

その時に同じ病院に入院していた

当時  母の年齢とそれほど違わない

もしかしたら少し上だったかもしれない

とても優しい女性に出逢いました。

 

こんなに思いやりのある優しい人が

世の中に本当にいるのだろうかと思うほど

当時の私には信じられないような人でした。

 

入院している間は  側にいて声をかけ

辛くて涙をこぼした時も  そっと肩に手を置いて

寄り添ってくれました。

私を見守り  気遣ってくれる。 それは

どうしてそんなに気にかけて良くしてくれるのか

疑問に思うほど温かいものでした。

 

私が退院してからも手紙のやり取りをして

励ましてくれていましたが

数年後のある日、一枚の葉書の訃報が届けられ

それ以来大切な場所はなくなってしまいました。

葉書は母の手の中に何年も留まって

私には何も告げられませんでした。

私を気遣って黙っていてくれたのだそうです。

 

暫くは知らぬまま手紙を出して

その度に返事が来るのを待ちました。

返事が来なくなって  迷惑なのかもしれないと

そのうちに手紙を出すこともなくなりました。

年頃になったある日  母から葉書を見せられて

大粒の涙を流したのを覚えています。

 

辛いなぁ。そう思うとき

私には  どこからか

人ではないかもしれないと思う程

優しく包み込んでくれる人が現れて

手を差しのべて大切にしてくれます。

 

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誰にでも

困ったなぁ。どうしよう。

そんな時  誰の許にも 

救いの手が差しのべられるのかもしれません。

私の場合  苦しい時に現れるのは

いつも決まって女性でした。

 

思い出す場面には 今でも 

大切にしてくれた人のぬくもりを感じます。 

 

・・・救いはなかった…。

もし、そう感じるのだとしたら

それは  その人自身に力が有って

乗り越えられる出来事だったからだと思います。

それは  すごく素敵✨なことです。

 

 

時々説明のつかないような出逢いの中で

何故か大切にしてくれる人が現れて

心の痛みを救ってくれることが起こります。

 

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誰かへ

助け船に乗って  此処まで辿り着きました。

一言で説明のつかないような優しさや

訳のわからない出逢い方で 

目の前に現れた肉親や家族でもない人が 

私を見つけて  救ってくれました。

安定できずにいた心に 

寄り添ってくれたのでした。

 

その人のことを思います。

あの時  あの場所にいた  あの人に

間違いなく生かされている。と感じます。 

そして  思い出す全ての出逢いが繋がって  

今此処に在ると感じます。 

 

今はもう  会いたくても

会えない人を思います。

突然目の前に現れた人は

躊躇なく手をさしのべてくれました。

 

まるで  人はこうあるべきだと

お手本のように  寄り添ってくれました。

 

私の記憶は  大切なことを頭の中に思い浮かべ 

そこにある  渡された思いを見つけています。

受け取った私は  今生きている。

それは小さな奇跡の連鎖が繋がって

『 生かされている』を繋げています。

 

受け取った思いは私を通して誰かへと

同じように自然に渡せたら  本当に幸いです。

『生かされている』と感じた日。

一人ではないことを感じて

感謝の気持ちが溢れてきます。

 

 

あなたにも  突然隣に優しい誰かがやって来て

微笑みをくれるかもしれません。

生かされている私から

あなたに届きますように。

あなたの幸せをお祈りします。

 

 mary