もしも今 痛みの中に
身を置いているのなら
呆然として 泣くことも
うずくまって 堪えることも
顔を歪めて
怒りを覚えることも
可笑しなことではないのです
ひとしきり 痛みの中に沈んでも
飲み込まれずに
痛みと共に時を過ごして
痛みが自分の中に鎮まって
自分の一部のように感じるまでは
痛みから 離れることはできません
自分でも 飽き飽きするほど
心も体も傷ついて
・・・いつか
傷ついていることを
自分自身が
選んでいると気が付いて
逃げずに 自分の今に
向き合えたら
その場所から立ち上がる時が
来ているのかもしれません
***
それまでは
敏感になった心が 出来事に出逢う度
次々に傷ついて 痛みを感じることを
そっと許してみるのです
誰かに分かって貰いたい…と 思っても
理解されるのは
奇跡に近いのかもしれません
同じ痛みは
何処にも ないから…。
ただ 察し合える僅かな人と
互いの痛みを分かち合うなら
それは 大きな安らぎと
幸いになるのかもしれません
そんな奇跡に遇う迄は
自分にできることを探してみます
あたたかい美味しい 食事をすることや
柔らかい布団に身を包み 眠ること
そうして痛みを癒せたら
幸いなのだと思います
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あまりに深い痛みに遇うと
知らぬ間に 痛み以外は
掌から零れていって
痛みしか見えなくなります
まるで 自分が
痛みだけになったように感じてしまう…。
痛みの中で
つかまるものが見つからなくて
溺れるように
息ができなくなるのです
そんな時には
誰かの助けや優しさを
受け取り難くなるかもしれません
そうして 痛みが
怒りに変わったり 妬みになったり
自分の嫌な面ばかりが目に付いて
また 自分を
痛め付けてしまうかもしれません
自分でも分からない
複雑な感情を生み出してしまうから
そうなる前に
今ある
痛みだけを感じて
早めに手当てするのは
大切なことのような気がするのです
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この星で 今この瞬間
誰かが
痛みを
感じている…かもしれない
一瞬でも
全てが
喜びや幸せに満たされたら…。
そんな時が来ることを
願いたくなりますが
哀しみも 苦しみも 痛みも
この世界の何処かには 在るのです
それでも 人(あなた)(わたし)は
痛みと共に
痛みを越えて
生きるしかない…。
そして 痛みさえ
力にして生きられる…のだと思います
今は痛みの中に身を置いても
少しだけ
外の世界に視線を向けて
立ち上がるきっかけを見つけたり
自分の心の中で
『何者からも傷つけられることは許さない』
そんな風に 宣言したり
これ以上 痛みを受けないように
自分自身を労ることは
できるのかもしれません
どんな辛く苦しいことも
いつかきっと
感受する時がやって来る
・・・そんな気がするのです
雨が上がった大地の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary