蝋燭の柔らかな明かりを灯して
心の内が鎮まって
祈りへとおりていく
祈らずに居られなくなるのです
蝋燭の揺れる明かりの前で
ゆっくりと長い呼吸を繰り返し
柔らかな明かりの中で
想いは浮かび
流れては消えて
ささやかな対話の時間
蝋燭がジュッといって消えていく
その音に呼び戻されて
また別の思いの中に
滑り込んでいきます
目に映る柔らかな小さな光に
吸い込まれてしまいそう
たとえ頭の中が迷い迷って
纏まらなくても
静かな心の底へ降りていき
安らぎに包まれていくのです
意識を向けると焦点が合って
想いはクリアに
頭の中はスッキリとしていきます
炎を見つめているようで
その中に入り込んでいるようで
蝋燭の炎の前では
時があっという間に過ぎていきます
日課というには
あまりにも小さな時間
***
蝋燭の灯りは
次の蝋燭へ手渡されていくようで
まるで命のリレーみたいです
静かに揺らぎながら
暗闇を照らし
辺りは浄められていきます
人は間違えることも有るけれど
また やり直すこともできるから
消えてしまった夢
希望や目標etc.も
蝋燭の小さな火みたいに
また何度でも灯し続けていくのです
小さな灯りだけれども
いつでも 何度でも灯しながら
分かちあえる明かりです
消えるのを恐れないで
また 灯せば良いのです
明かりを灯すのは数多い方がいい
誰かや何かが暗がりで
あなたの灯した光に
勇気を貰うかもしれない
あなたが灯したことを
知らないままだとしても
確かに明かりは渡されて
受け取った誰かが
今度は明かりを灯す時が
いつかやって来るのでしょう
そうして灯された小さな光に
世界が明るく照らされていきます
東京はお盆の入りです
蝋燭を灯し 香を焚き
掌を合わせて 何度となく祈ります
会ったことなく顔を知らなくても
ご先祖様は
見守っていてくださって
彼岸から三日の間帰って来られ
縁の糸を太くしていかれます
心の中で
『ありがとうございます』
そう思うだけで その声は
届いているような気がします
雨が降ったり止んだりと
空が目まぐるしく変わっても
心には明かりが灯りますように…。
この世界の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary