あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙✨サイレンの響く春の日に


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生まれた時から小さくて

生まれて直ぐに保育器に…。

 

今と違って昔々のことですから

医療も

整っていなかったのでしょう

 

母に抱かれる間もなく肺炎を患って

死亡届けが先んじてしまわぬようにと

慌てて出生届を出したとか

 

それからは  お医者さまとの縁が

途切れない娘時代を過ごしたのです

 

母からは  口癖のように

三十歳まで生きられないかもしれない

・・・と  刷り込まれていたのに

(何故三十歳かは定かではありません)

 

予想は大きく外れて 

結婚、出産も経験し

 

この時代を生きて  今も季節の美しさに

心ふるえているのです

 

人の一生など  善くも悪くも予測不能

いつ何が起きても  小さな人の力が

左右できることは稀有だった…。

 

いつもなら長閑な春の日なのに

今日は救急車の大きなサイレンの音が

何度も聞こえて通り過ぎていくのです

 

病人か怪我人か  それとも…。

何処の誰かは分からない  けれど

救急車に乗らなければならない程に

命の危機にあるのでしょう

 

サイレンの  あの音は

心安まるものとは

反対にあるものだから

 

乗っている人  迎える人

送り出す人も  各々が

命に向き合わなければならない

その瞬間に響く音…。

 

                                 ***

 

精一杯…。

その時その場に在る命の中で

あれもこれもはできないから

 

人は流れに任せたり  今在る状況の中

自分で選んだ行いに精一杯向かいます

 

それは  病やその他様々な原因から

(その時には解らなくても)

行いの大小はあるかもしれない

 

けれど  きっと

その瞬間  精一杯生きている

 

肉体は一瞬も休まずに

鼓動を刻み呼吸してくれているのです

 

怠けているように感じたり

投げ遣りに見えたり

もっとできる筈なのに…そう思っても

できることは限られるから

 

 

大きな集合体の宇宙が在って

宇宙人で  

地球という星に生まれた

地球人

 

誰かが分けて呼び始めたアジアの中

アジア人

小さな島国の日本という国に生まれた

日本人で

 

日本の中の都民で市民  町民で…(*^-^*)

 

そうしたこの時代  この場に

生まれて  生きているだけ

それだけで  それは

大きな奇跡なのだと思います

 

誰もが《わたし》の中心を大事にして

生きていること  それが 

とても大きな使命のように思います

 

それは  あなただけに

わたしだけにできることです

 

 

救急車は走ります

誰かの命の未来の為に…。

 

此所に在る肉体という命

 

一人一人が抱き締めて

二度とは来ない今日の日の

春咲く花に出逢います

 

明日の風も明後日の光もみんな

穏やかに降り注ぎますように

 

どこかの同じ空の下

あなたがご無事なことを願います

 

この世界の春の日の片隅で

あなたの幸せをお祈りします

mary