あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙✨羊と鋼の森


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読み返すと  違う本を読むような

全く別のものを見ている感覚…。

 

本棚に仕舞われている  又は

部屋の隅に積み上げていた

本を  読み返した時の 

・・・あの感じです

 

『いい本』なんて 

昔の自分を誉めたくなる時が

時たま  訪れます

  

今回も…積み上げた本が崩れて

飛び出してきた

羊と鋼の森

少し前 2015年に

本屋大賞を受賞した本です

 

*高校生の主人公が

    放課後先生に頼まれて 

    来客を体育館へ案内したことで

    初めてピアノの調律を目撃します

 

    その瞬間魅了されて調律の道へ

    進みます

 

    主人公の背景や心の動き

    人との関わりを丁寧に描写して

    やがて調律師になっていく姿を

    描き出す物語…。

 

簡単に  はしょり過ぎですが

言葉が紡ぎ出す世界が  まるで

目の前に映像として流れるみたい

 

この本は  処分していないのだから

たぶん  初めて読んだ時点で

好感触だったに違いない

・・・なのに覚えているのは

断片的に  所々で

 

『初めて読んでいる?』と 

思うくらい覚えていない…?

(*^-^*)

でも  新鮮

 

雨の降る  秋のような涼しい日に

本の虫になりました

 

離れがたいけど

途中途中に  家事をしながら

行ったり来たりして

 

豊かな時の住人になったようで

朗らかな自分が顔を出して

 

小さなことが気にならないで

居られます

 

きっと  それは 

帰れる場所(戻る場所)が 有る 

嬉しさに似ています

 

物語の続きに  早く戻りたくて

意外なほど  用事が捗って

一日は何倍も楽しくなります

 

大きな風が吹いた感じ…がして

ウキウキしてくるのです

 

マンガやアニメーションも映画も

大好きだけれど

 

物語には  言葉が語る世界を

自分の頭の中で描き出せる

自由が  有るような気がします

 

そして  読む側が変わっていくと

見える景色が変わっていって

 

同じ本から  違う景色が流れ出して

届くことがあるのです

 

二度目には 

『あれ…つまらない?』

なんてこともあるけれど

 

暫く置いている内に

宝物に変わるかもしれないから

大切にして…。

 

惹かれるものは  皆

各々違います

 

人生の困難に出逢った時に

助けてくれるものも違います

 

だから  誰かと

同じではないのです

 

自分のアンテナの

感度をよくして

惹かれるものがあったら

ウキウキする気持ちを大切にして

 

その惹かれるものと

一日一日過ごせたら元気になって

 

今日とは違う自分が生まれたら

見るものが同じでも美しく見えて

 

そして  何もかもが嬉しくて

頷いてしまうなら…。

 

『大丈夫』だと思えてしまう

かもしれません

 

安らぎの時に住めたなら

安心して過ごす心は

好い方角が分かるみたいです

 

行き先に何を見るか…。

身体が自然に動いて

進み始めたら

 

ただコツコツと向かうだけ…。

 

羊と鋼の森》の主人公が

    目指すのは

『明るく静かに澄んでいる文体

    少しは甘えているようで

    ありながら

    厳しく深いものを湛えている文体

    ・・・。』のような音 

と  あります 

主人公は

その音に向かって日々を生きる…。

 

世の中は変わっていっても

変わらない

自分の心に響くものは

きっと  助けになってくれます

 

 

 

雨が降り続く中

身も心も健やかでありますように…。

 

涼しい空気に覆われた

この世界の片隅で

あなたの無事をお祈りします

mary