あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙✨一欠片

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ある日  目が覚めたら

今迄と全く違う世界に居るような

気がすることが  時々あります

 

酷く体調を崩した後や

苦しいと感じる体験をした後

 

初めて行った場所から帰った後

理由が全く思い当たらない…。

 

そんな時

『あら…?』と

思うことがあるのです

 

それは  物語の

最初のページを開く前みたいに

 

ドミノの初めの駒が

倒れる寸前の時のように

 

周りが  いつもより

ゆっくり動き出す感じ

 

それまで思い込んでいたことが

次々に違って見えて

 

そんな時には  

自分の中にあった筈の

多くの言葉が無くなって

 

失ってしまったように感じます

 

あてはまる丁度よい言葉は

どこにも見つからないようで

 

・・・そんな気がして

暫く言葉を失ってしまいます

 

ずっと長い間  ポカンとして

それとも  あっという間に…。

 

また  日常になっていきます

 

                        ***

 

生きていくと

思い通りにいかないこと

思い通りにならないと感じることが

 

身体にも  心にも  

あるのかもしれません

 

過去の良かった時を思うからなのか

誰かの姿を重ねて思うのか

 

時によって  人によって

違うのかもしれないですが

 

自分の思い通りが

《全てではない》ことを

知っているのは

大切なのかもしれません

 

ただ一欠片

 

自分の思いの一欠片

思いの全部の中の  

一欠片です

 

例えば  思い通りは

 

体なら

痛みが無くなったら良い

美しくなれたら良い

力が強くなったら良い

早く走れたら良い

高く飛べたら良い…etc.

 

心なら

楽しくいられたら良い

嬉しいことがあれば良い…etc.

 

どれだけ  頭に浮かんでも

心が欲しいと願っても

 

一人の人の人生が

大木だとしたら  その思いは

ひとひらの葉のように

 

一欠片です

 

だからと言って  粗末にしたり

軽く見る訳ではありません

 

ただ  全部ではないのを

知っていることが

重要なことのように思います

 

 

何時の時にも  

悲しみや苦しみや  痛みに 

襲われることがあります

 

それこそ  上手くいかないことや

苦手な人と居ることや

 

失いたくないものを喪ったり

途方に暮れてしまうような

困難に遇うときも…。

 

憤り  怒り  苦しみ  悲しみが

叫び出したい程

溢れてくるかもしれないけれど

 

暫くして

ふと

我にかえって

 

その思いは  《自分の全て》では

無いのだと気付いたら

別の何かが顔を出してくるのです

 

できるなら

手を動かしたり  

服を着替えたりetc.

別の一欠片に寄っていけたら

 

今抱えている

思い通りにいかないことが

思わず動き出したり

助けがやって来たりして

 

それとも

思い通りにならなかったことの

理由に得心して 

 

思い通りにならなかったことに

安心したり

 

川の支流が見つかるみたいに

違った流れができてきて

 

他の可能性が

生まれます

 

自分のことも  世界のことも

知らないことは山程あって

《絶対》ではないのです

 

けれど  自分が《全て》だと

思ってしまった時にだけ

欠片が全てに見えていきます

 

一欠片の中に

無限の可能性は隠されて

 

一欠片が重なり合って創造する

自分という世界は

新しく生まれ続けているみたいです

 

生きていて 

今日を知ることが

一欠片になっていきます

 

秋空は柔らかな光を落として

大地を暖めていきます

 

今日の日に

あなたが健やかでありますように

同じ空の下  この世界の片隅で

あなたの幸せをお祈りします

mary