あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙✨色


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旅の途中  何処かのお寺の境内に

黄金色に色付いた立派な銀杏が 

輝いていたのは  ほんの数年前

 

何処かは  もう覚えていない

けれど 記憶に刻まれた

鮮やかだった  あの黄色 

 

何処までもエメラルドグリーン

透き通った浜辺を見たのは

田中一村が描いて生きた奄美の島

 

白い砂浜と青い空

境の見えないその間  広がる海に

こんな蒼が本当に有ったのだと

思った日

 

昨日  街路樹のハナミズキ

赤い実と紅い葉を見つけて

何故だか心の奥がキュンとする

 

そうして頭の隅に  ちゃんと写る

様々な色たち

 

夕焼けの空のオレンジや茜雲

黄昏時の紫や一番星の光

曇り空の銀鼠色

 

その時々に現れて  感情や

現実の出来事を記憶と共に

色として刷り込まれて

頭の中のスクリーンに写される

 

色とりどり

なんと豊かなことだろう

 

                          ***

 

最近  家電製品が寿命を迎え

次々に機能を成さなくなっていく

そんな機械たちを見渡して

 

助けられて来たのだと

今更ながら気付きます

 

そして《無い》暮らしをして

思い至ることも沢山あります

 

戦後暫くして高度成長を遂げた

日本経済が庶民に与えた三種の神器

 

テレビ、洗濯機、冷蔵庫  

豊かさの象徴のように揃えられ

いつしか有るのが当たり前の

暮らしに慣れているのだから

 

今は掃除機や電子レンジ

炊飯器やエアコンも 

無い暮らしは想像するのが

難しいかもしれません

 

有るのが当たり前だから

無い暮らしに不自由を感じるのは

致し方ないようです

 

当たり前はイリュージョン

無くなって  初めて

依存していたことに気付きます

 

画面の黒いテレビから  情報を

受けとれるものは限られていて

集中していないと分かりません

 

・・・集中しても分からない

(*^-^*)

 

冷蔵庫が役に立たなければ

ストックしておけなくなって

 

お買い物も自由にできるなら

それはそれで良いけれど

やっぱり不自由に感じるでしょう

 

大好きなお洗濯も

夏の内は良いけれど  これから

寒くなって厚手のものを

手洗いするのは手に余ります

 

何より  携帯電話の無い暮らし

不安が先にやってくるのは

暮らしの中で

大きな影響を受けてきたから

 

恵まれてきたことの

イリュージョン

 

一日は二十四時間なのだから

関われるものを選択して

 

頭に浮かぶ彩りが

もっともっと豊かになったら

安心するかもしれません

 

今日見つけたのは

何色ですか…?

 

青い空に見つけたのは白い月

半分滲んだような水色でした

 

穏やかな秋の日に

あなたの幸せをお祈りします

mary