家の扉 部屋の扉
心の扉etc.
どの扉でも 閉じていたら
トントントンと音がして
『すみません』とか『あの～』とか
『ごめんください』なんて
時々 声が
聞こえてくるかもしれないのです
その声や音に 応えて
返事をするなら
顔を出すなら
言葉を交わすなら
また そこから
扉は少しずつ動き出し
時が廻り始めるでしょうか
けれど 扉を叩く音に
応えられる時が来るまでは
扉は閉ざされたまま
いつか 扉を叩くものはいなくなり
静寂に包まれて
孤独の痛みが襲ってきても
その時が来るまでは 開かない扉
見えている扉も 見えない扉も
無理に抉じ開けることは
誰にもできません
そっと その時が来るまでは
じっと注意深く時を過ごして
扉が開かれるのを待つのです
文明が進んで 何もかも
解決や解放の手段が見つかって
誰もが正しいと思う道筋を
同じ様に歩いて行ける今が在って
それは 多くの人には生きやすく
容易く行ける道かもしれない
けれど 歩き出せないことも
行きたい道が違うことも
きっとあるかもしれないから
そんな時には ただそっと
立ち止まることや 蹲ることを
自分に許してみるなら
意外に扉はあっさりと
開かれていくのかもしれません
もしかしたら
閉じてしまった扉のことさえ
忘れてしまっていたりして
それはもう
開かれることの無くなった
役目を終えた扉なのかもしれません
扉は 一つとは限らないのです
＊＊＊
暗闇に先が見えずに居たとしても
扉を開くのは 誰かではない
たぶん 自らにしか分からない
開く時 応える日には
サインがきっと有るのです
その時が来るまでは
満たされるように自ら労り
元気でいるのが一番です
研ぎ澄ました感覚が
ちゃんと発揮できるように
平らかでいなければならないから
秋には 滋養の多いものが出回って
実りに心踊らせる出来事も…。
そうして沢山のものに助けられ
エネルギーに満たされて
暖かく 穏やかに
ゆったり過ごし
固く閉ざされていた
何処かの扉を叩く
トントントンが聞こえるように
耳を澄ましてみてください
ただひたすらに
喜びを感じる方へ…。
穏やかな秋の休日
この世界の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary
