花の命は短くて
苦しきことのみ多かりき
あなたがあなたの苦しみを
あなたがあなたの悲しみを
それから
あなたがあなたの喜びを
あなたのものとして 抗わず
苦しみは苦しみ
悲しみは悲しみ
喜びは喜びのそのままで
今この時に受け取って
その先の自分に会えたなら
それを《生き甲斐》と
言うのかもしれません
・＊＊＊・
花は 短い一時を過ごしますが
死んでしまった訳ではなく
次の世代へ
命を繋いでいるのです
美しい花を付けるもの
目立たぬ花を咲かせるもの
花にはならず
息絶えるもの
小さな庭に広がる草は
各々に 各々の
命を生きます
踏みつけられても
折られても 摘まれても
文句を言うものはいません
そうして再び季節が訪れたなら
芽を出して ただ生きていく
花ならば花として
愛でられなくても
全く気にはしないのです
それよりもっともっと大切な
命を生きているのです
今日の日の先に在る
明日のあなたに会えたなら
見えなかったものは見え
聞こえなかった音を知り
知らなかった知識に触れ
分からなかった不思議は
霧が晴れたように解かれていく
そんな日が来るかもしれない
見たことも無い美しい夕焼けの
今日の空に出逢う時のように
いつなのかは お楽しみ…。
短い花の時期を過ごして
次の季節の訪れる迄
根を張って それとも種として
見えないけれど
生きていて
見えないけれど
在るのです
今日も明日も明後日も
そっと過ごしていけたなら
同じこの空を
見上げられるかもしれません
あなたが健やかでありますように…。
この世界の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary
