初め 恩は恵みの意味で
神からの恵み 佛からの恵みを
指したらしい…けれど
今では 人の情けや行いを
受けた側が
有難いと思うようなこと へ
意味が変化して
《恩》と言うのだそう
そのどちらの意味も含まれた
《恩》を受けたことがない人は
いないかもしれない
生きること全てが
恩で溢れているから
＊＊＊
恩返し…をできることは
本当に少なくて
受けたものを返せる術は
それこそが
有難いのかもしれないことで
ずっとずっと過去の日の記憶が
蘇ってきても 返したい人は
もうこの世界には居なかったり
顔も知らない人が生まれたから
今の自分が在ることも
愛する人が 居てくれるのも
何処かで 誰かが
恵みを与えてくれたから
きっと 存在して
大切な誰かにも
あなたの上にも
恩賜は気付かぬ内に降ってきて
受け取ったら また
人から人へ 渡されていく
あなた（わたし）の
ささやかな想いが
小さな種を生み出して
誰かの許へ
恩返しの機会は逸しても
他の誰かへ
あなた（わたし）から
誰かの許へ届くかもしれない
神様を信じられないくらい
苦しい出来事が有っても
神様なのか佛様なのか 心の中に
ちゃんといて
安らかで
そして 恩は
人の手に変わって
あらゆることに含まれて
届いてくれる
それは スーパーに並ぶ
果物や野菜にも
水道から流れ出る水にも
煮炊きする
炎の中にも含まれていて
誰かに向けた暖かい言葉や
作った食事に
背中を擦る掌の温もりに
平和を祈る
想いの中にも含まれて
ぐるっと世界を循環して
大きな恵みが渡されて
小さな心地好い種が
山ほど降って来るかもしれない
気付かずに
受け取っているものばかり
(*^-^*)
恩の塊みたいになって
人は 日々生きて
いつか誰かと分かち合うなら
増幅されて広がって
この世界は 賜り物で
溢れだすだろう
今日もお日様は輝いて
暖かい光を贈ってくれて
爽やかな風は
大地を渡りながら
湿ったものを乾かしてくれる
鎮まっていく大地と
柔らかに動く空模様
この同じ空の下
この世界の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary
