枯れ草の音がして
いつもの風音とはちょっと違う
生き物の気配を感じて
霜が溶けた 冷たい庭を
静かに眺めてみると
『・・・いました いました』
テンなのかイタチなのか
鼻筋は白くありません
以前遊びにきた日本穴熊や
タヌキよりも一回り小さくて
明るい茶色の小動物が歩いています
山に木の実の少ない年には
民家のある平地まで下りてくる
野生の生き物たち…。
紅葉はいつもより鮮やかで
山々は美しく輝くけれど
小さな動物たちが
無事この冬を越せますように…。
〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇・〇
長く生きていると
思いがけない贈り物が届いて
それを なんとなくだけれど
印象的に感じるようになって
フッと微笑んだりするのです
小さな子供だった時には
当たり前過ぎて
見過ごしてしまっていた
様々な贈り物たち
例えばそれは 大切な人や
愛する人の何気ない微笑みや
たった一度言葉を交わしただけの
お店屋さんの暖かい眼差し
年を重ねた家族が 大きな声で
昔話をしている朗らかな声etc.
・・・そこに在るだけで
完璧過ぎて
身に落ちてきた贈り物だと
気付かない
穏やかな 柔らかな日常に
知らぬ間に届く温もりたちです
子供だった時には
気付けなかったことも
今は 懐かしく
その時のことを思います
何処にでも誰の許にも
暖かい温もりが
届けられたら 本当に素敵です
年の瀬の巷には
華やかなイルミネーションや
ライトアップが眩しくて
つい目を奪われてしまいます
けれど 暖かい温もりは
耳をすまして
心を寄せた今日の日のささやかな
出来事の中に隠れています
胸に広がる嫌なこと
痛いことが 塊りになって
怒りに変わってしまう前に
贈り物が 届きますように…。
届いた温もりを
受け取れますように…。
暖かい眼差しや
穏やかな聞き手や
夢中になれるものたちが
いつも贈り物になって届くなら
それらは 命に
生きる力を届けるでしょう
あの時には気付けなかったけど
『あ～。今贈り物が届いてる…。』
そんな風に感じた時は
迷わずに
『受けとりました。ありがとう…。』
そう応えて お礼を言ったら
送り主は笑ってくれる
そしてまた 贈り物を
そっと届けてくれる
かもしれないなんて 思うのです
もし 今届かなくても
それは 準備中…。
かもしれないから
諦めないで待ってみて
受け取れる準備ができたなら
降ってくる…？
贈り物は
大袈裟に受け取って
喜んだりお祝いして満たされて
そうしてその何万分の一を
誰かの許へ…。なんて思えたら
暖かい温もりを贈り物にして
届けられるかもしれません
みんな 同じではないけれど
与えられるより
与えることが
どれ程の喜びを受け取れて
愛されるより
愛することが
どれ程幸せに満たされるか
そんなささやかな一瞬が
世界を救う…？かもしれません
クリスマスも お正月も
これからですが
周りを見回したら
毎日贈り物が いっぱい届いて
いるかもしれないです
寒くなりました
冷たくなった大地の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary
