あなたへの手紙・日向真理愛

未完成の人生を生きる私が「あなたに会えてよかった。」そう手紙を書きます。

あなたへの手紙✨溜め込んでいたら


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空から大粒の雨が落ちてきて

地上のものと触れ合って

大きな音が  絶えず響いて

 

こんな日は考え事をするには

集中力がいるのだけれど

 

思考して  雨に気をとらわれて

気が散って  また思考して

その繰り返し…。

 

雨戸もきょうは閉めたまま

長い時を共に過ごして

少し草臥れてきた

大切な家を守って貰うことにしよう

 

                           ***

 

入ってくるものと 出ていくもの

暮らしの中には流れがあって

 

外に響いている雨みたいに

落ちてきては  また雲になって

再び雨となって降りてくる

 

その循環がちょうどよいと

恙無く  暮らしていける

 

風船を膨らますのに 空気を入れ

🎈の許容以上に大きくするなら

パンクして

風船ではいられなきくなる

 

暮らしも同じ

入ってくるものが多すぎれば

息ができなくなるかもしれない

 

それならば  パンクする前に

何処か他に  逃げ道をつくって

 

溜め込んでしまったものを

少しずつ流していけば

弾け飛ぶことはないのだろう

 

風船なら  小さな穴が空いていたら

しぼんでしまうかもしれない

 

けれど暮らしは  意外に頑丈で

流れがあった方が好いこともある

 

例えば目に見えて

頂き物が多い時

一瞬止まって  考えて

 

頂いたものでなくても 

持っているものを  誰かの許へ

迷惑にならないほど

贈ったり  差し上げてみたりする

 

家の中や  心は

パンパンに満たされていなくても

それほど不自由は無いのだから

 

もし喜んで貰えたら

嬉しい思いは重なり合って

大きな流れになるかもしれない

 

そして『ありがとう』なんて

言われたら  特した気分

ご褒美を貰ったみたいに

もっと豊かになるかもしれない

 

 

さて《もの》ならば

簡単に  流れは作り出せるけど

 

感情は  知らぬ間に

満タンを越えて溢れ出す

 

誰もが我慢の仕方を  習得して

表に出さないで 

感情を上手に出す方法を

身に付けて来なかったから

 

いつも  どこかが足りなくて

いつも  何かに頭にきて

いつも  孤独でいっぱいになって

いたりはしないだろうか…。

 

ものが壊れた時に

ワクワクする人を知っている

 

新しいものが来ることが

楽しみで仕方ないのだと…。

 

朝目覚めた時  

さあ  今日は何に出逢えるのかと

ワクワクする人を知っている

 

一番新しい自分になって

初めて出逢うものたちは

《美しいもの》に

決まっているのだと…。

 

そんな風にいられるなら

苦労は  苦労にはならないだろう

 

それでも  爽やかに

一日を送れるなら  その方がいい

 

溜め込んで満タンを越えそうな

不満や怒り  寂しさは

少しずつ  外へ出すようにして

 

足りないなら 

小さなチョコレート一つ

口にして  満足してみたりして

 

怒りたいなら

ぶつけるのは  誰かではなく 

ノートに書いて読んでみる

 

寂しい時には  暖かい

手を掛けた  消化のよい食事をして

肌触りのよい衣服に袖を通して

 

心地好い音楽を聞くことは

できるだろうか

 

 

そうして  ある日

持ち物がいっぱいに感じた時は

 

昆虫や鳥の姿を思い出して

 

そのままで  完璧に創造されて

この世界に生み落とされたと

思い出す手伝いをして貰う

 

入り口は一つ

出口は幾つも有って好い

 

一人で喜ぶよりも

この世界の何処かで  誰かが

喜んでいるのなら

 

その方がずっと  嬉しい気がする

 

泣いている誰かの肩に

触れることはできないけれど

いつかその涙の乾く日が来る

そう  祈ることはできるのだから

 

両手いっぱい受け取った

大きな幸せを

 

ほんのスプーンいっぱいほど

何処かへ  誰かへ

届けられたら…。 

 

雨が小止みになってきて

少し明るくなったから

そろそろ雨戸を開けてみよう

  

降った雨が大地を潤して

よき循環でありますように…。

 

湿った空気に覆われた

この世界の片隅で

あなたの幸せをお祈りします

mary