東京のお盆は
七月十三日の夕方から…。
それまでに我が家では
お墓やお仏壇の掃除をして
十三日の夕方までには
お盆棚を設えます
お迎え火を焚いて
ご先祖様や縁ある仏様をお迎えし
それから三日 共に過ごして
十六日の夕暮れに
送り火を焚いて
仏様が彼岸へと帰られるのを
お墓へ送りにいくのです
たった三日のことだから
できることは少ないですが
好物を拵えてお供えしたり
無縁様へ 蓮の葉に
お供えものを拵えて
お水と一緒にお供えしたり
いつもより長く掌を合わせ
心の中で
亡くなった人に語りかけます
今日までにあったことや
思ったこと 未来のことも感謝して
想い浮かぶことと過ごします
盆棚を飾るのは毎年のこと
その度にかけている筈の
掛け軸に心が向いて
そこに描かれた十三佛を
深くは知らないままだったことに
ふと…気付きます
十三佛は
釈迦如来
観世音菩薩
阿しゅく如来
虚空像菩薩
その時その時
亡くなった人への導きと
遺された者たちへの導きを
与えてくださる佛様
深く知らなかった佛様に
今日 生きて
新しく出逢える喜びを戴きます
時の経つ毎 心の在り方が
大きく変わるのを
こうして繰り返し同じ事をして
その度感じていくのです
何もかも知ることが
喜びではない気がします
知りたいことを知れるから
喜びに変わります
気付くタイミングも今
去年でなく一昨年でもない
今年だから
嬉しいのかもしれません
そして知らなかった昨日の自分と
今日喜びを得た自分
全く違うものへと変化して
見るもの聞くもの触れるものへ
新しい感覚を覚えていきます
幾つになっても
知らなかったことの中に
驚きや安心や喜びを見つけるのは
心踊る楽しいことです
ふと…。思うような小さなことや
当たり前で普通に思えることも
もしかしたら
宝の山なのかもしれません
生きるってすごいこと
今日という日があるって奇跡です
梅雨明けで暑くなった
この世界の片隅で
あなたの幸せをお祈りします
mary
